ビジネスメールでは、「いつも大変お世話になっております」「今後ともよろしくお願い致します」といった語句が、必ずと言っていいほど登場します。
慣れている人でも、この2つの文を入力するのに、10秒以上の時間がかかることでしょう。
1日に10通のメールを書くとしたら合計で100秒、
365日で36,500秒、1年で10時間以上になります。
定型的な語句を入力するために、無意識のうちに実に膨大な時間費やしているのです。
この時間を短縮し、もっと他のことに使えるとしたら、業務効率はかなり改善するのではないでしょうか。
定型的な文章を入力する時間を短縮するために、私はよく使う語句を日本語入力ソフトに登録しています。
1度登録してしまえば、あとは頭の何文字かを入力するだけで残りの文章が自動的に表示されるようになります。
登録後も、登録内容の編集や削除ができますので、使い勝手を見ながらカスタマイズしていくと良いでしょう。
単語の登録によるメリットは、時間の短縮ばかりではありません。
忙しいからといって、言葉がぞんざいになってしまったり、挨拶やお礼を省いてしまったりすることがなくなります。
どんな時も、常に一定のクオリティのメールを送ることができるようになるのです。
メールできちんとした人間関係を築くためには、挨拶やお礼の言葉を欠かすことはできません。
基本的に、ビジネスのメールでは感情を表現する機会がほとんどありませんから、挨拶やお礼は”こころ”を込めることができる唯一のチャンスといっても過言ではありません。
メールは誤解の生まれやすいツールです。
常に、伝え方や伝わり方を考えなくてはいけません。
たった1行でも用件は伝わりますが、冷淡な印象を持たれてしまうことにもなりかねません。
「ありがとうございます」という一言を書き加えるだけ、でメールの印象はやわらかく、温かなものになります。
効率化も大切ですが、”こころ”を込める工夫だけは置き去りにしたくないものですね。

有限会社アイ・コミュニケーション代表取締役。
ビジネスメールマナー推進協議会 会長。
メールに関する書籍を6冊執筆し、メールマナーに関する取材を200回以上受けるビジネスメールのスペシャリスト。
メールリテラシー教育に力を入れる企業から講演依頼も殺到しており、自著『あなたの仕事が劇的に変わるメール術』(ビジネス社)は、ビジネスメールの教科書として多数の企業で採用されている。また、ビジネスメールをE-learningで学ぶ「ビジネスメールマナー講座」を立ち上げに協力している。
著書に『誰も教えてくれなかった ビジネスメールの書き方、送り方』(あさ出版)、『これですっきり!ビジネスメールのトラブル解消』(日本経済新聞出版社)等がある。