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Q6『CCに知らない名前がたくさんで不安です』(Part.2)

ビジネスメールのプロに質問

ビジネスメールのプロに質問!

 
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質問2「TO」や「CC」に知らない人の名前がたくさん並んだメールを受け取ったことがあります。このようなビジネスメールは「情報漏えい」ではないかと思うのですが。。。

佐藤安南講師からの回答 (Part.1 はこちら)

「常識」だからこそ見落としがちな送信設定

「今どきのビジネスパーソンが、CCとBCCを間違うなんて、ありえない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。実は、この原稿を書いている私自身も、そう思っています。これだけ個人情報について社会がセンシティブになっている現在、メールアドレスの流出防止は、メール運用において最優先事項と言っても過言ではありません。メールが普及し始めた20年前ならまだしも、これだけビジネスのコミュニケーションツールとしてメールが一般的なものになった現在、CCとBCCの使い分けは常識であり、間違うはずがない・・・と思いたいのです。

しかし残念なことに、現在でも「TO/CCとBCCの取り違え」による個人情報の流出はあとを絶ちません。ITに詳しいはずの企業でさえ、こうした過ちをおかすのです。
先日、300万ダウンロードを突破したという人気スマホアプリの評価欄で「キャンペーンの際に当選者に対しCcでメールを送るなど、IT企業としてのセキュリティ意識にも疑問が残ります」という厳しいコメントを目にしました。とても便利で使い勝手がよいと評判のアプリであっただけに、この評価には大変驚きを覚えました。

こうした「情報漏えい」のミスについては、プレスリリースなどで謝罪を出すのが通常です。日本ビジネスメール協会では、「誤送信対策の教科書」というサイトを運営し、こうした情報には注意を払っていますが、この企業が謝罪広告を出したという情報は、その時点ではキャッチしていなかったため、とても驚いたのです。
悪意を持った個人の書き込みの可能性もあるため、この企業がそうした「送信ミス」を行ったことがあるのか、過去のプレスリリースを確認してみました。すると確かに、昨年8月ころの企業ブログに、「プレゼントキャンペーン当選メールの誤送信についてのお詫びとご説明」という記事が掲載されていました。

「ご住所の確認のためのメールをお送りする際、BCCでお送りするべきところをTOにてお送りし、メールを受信したお客様から394件のアドレスが閲覧可能な状態となってしまいました」
「個人情報を厳重に取り扱うべきところ、このような不始末を招いてしまい大変申し訳ございませんでした」

信頼を維持するために

この企業について、私は個人的にとてもよい印象を持っていただけに、謝罪記事を見つけたときは本当にガッカリしました。そして同時に、この誤送信ミスは、IT企業ゆえの「気の緩み」があったからかもしれないと感じたのです。

IT企業に対する世間一般のイメージは、おそらく、「IT技術に強い」「セキュリティ意識が高い」というものだと思います。そのイメージは、IT企業に勤める方々自身の中にもあることでしょう。一般の人々よりもIT技術について深い知識を持ち運用している我々が、よもやメールの誤送信をするはずなどありえない、TO/CCとBCCの違いなど基本中の基本で間違えるはずがない・・・。そうした「思い込みと過信」が、もしかすると、この企業の中にあったのではないでしょうか。

これは他人事ではありません。いくらIT企業であっても、実際に技術を運用するのは現場に携わる人間です。また、企業全体として「ITのスペシャリスト」であるとしても、全社員がすべての技術に精通している訳ではありません。特に成長著しい企業であればあるほど、社員がどんどん増えるため、ひとりひとりのスキルやセキュリティ意識について、徹底した教育を行う機会を失いがちです。
「わが社は大丈夫」と思うときが、実は危険なのだと考えましょう。ミスは必ず起こるものです。そのミスを予測して、常に基本的なルール・マナーを徹底させることが、会社の信頼を維持していくためには、とても大切なことです。

結局のところ、私は、この会社のアプリをインストールしていません。過去のこととは言え、やはり一度生まれた不信感は、そう簡単に拭えるものではありません。300万もダウンロードされているアプリですから、私1人が疑問を持ったからといって、大した損失にはならないかもしれませんが・・・。
mail_send(Part3につづく)

 

回答担当講師

ビジネスメールコミュニケーション講座(ベーシック編)

一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師 佐藤安南
1988年東京大学文学部第4類心理学専修課程卒業。1990年東京大学大学院社会学研究科(社会心理学専攻)修士課程修了。社会学修士。映像制作会社勤務を経て独立。TBS「報道特集」日本テレビ「バンキシャ!」フジテレビ「スーパーニュース」「報道2001」NHK「すくすく子育て」「イッピン!」など、主に報道・情報番組の取材に携わる。教育ビデオ、企業・大学・病院などの広報映像、CM、ゲームソフト開発などにも従事。テレビの取材を通じ、専門家から主婦にいたるまで様々な分野・職業の人々とメールを交わした経験から、メール教育の必要性を痛感。一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師の資格を取得、本格的にメール教育活動を開始。また「ママ・パパ・子どものプライベートメール実態調査2013」に携わるなど、親子向けのプライベートメール・SNSコミュニケーション教育にも力を注いでいる。

 

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著者
佐藤 安南(JBMA認定講師)

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