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Q6『CCに知らない名前がたくさんで不安です』(Part.3)

ビジネスメールのプロに質問

ビジネスメールのプロに質問!

 
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質問2「TO」や「CC」に知らない人の名前がたくさん並んだメールを受け取ったことがあります。このようなビジネスメールは「情報漏えい」ではないかと思うのですが。。。

佐藤安南講師からの回答(Part.2 はこちら)

過度の規制はビジネスの停滞を招く

幅広い視点で考えていただくために、「情報漏えい」を恐れるあまり、行き過ぎた対策をとり、かえってビジネスに支障をきたしてしまった事例についても、ご紹介しましょう。私は、「親子スマイルネット」という、親子向けのネットコミュニケーション教育のボランティア団体を作り、自治体や学校などで講演活動も行っています。一昨年のことですが、とある自治体で講演をすることになり、仲間とともに、ご担当の方々とメールで打合せをすることになりました。

ところが、数回やり取りを行う中で、私どもからは常に「CC」を入れてメールを送信しているのにも関わらず、先方からの送信や返信は、常に、私あるいは仲間、それぞれ1人宛ての「TO」のメールのみだということに気付きました。これでは、先方が仲間にどのような連絡をしたのかが分かりませんし、仲間と情報共有をするために、いちいち受信したメールを転送しなければならず、大変な手間がかかってしまいます。もしかすると、「CC」の使い方をご存じないのかもしれない、あるいは、講師それぞれ個別にメールを送るのが礼儀だとお考えなのかもしれないと思い、「メールの通数を少なくし、情報共有を容易にするために、CC欄を使って送信をお願いできますか」と、直接お目にかかった折に依頼をしました。すると、ご担当の方から、驚くべきお返事が返ってきたのです。

では元から絶てば安心なのか?

「実は、情報漏えいを防ぐために、こちらではCCを使えないシステム設定になっているんです。複数の方にメールを送るときには、BCCのみに入れることになっています」 なるほど!確かに、CCを一切使えなくしてしまえば、TOに複数の宛名を入れない限り、情報漏えいをする可能性はゼロになります。ミスを犯す原因を、元から絶ってしまおうという訳ですね。その後あちこちに伺ってみたところ、公的機関などで、こうした「CCを使えなくする設定」がしばしば行われているようだということも分かってきました。「CC」の誤用による情報漏えいに対し、どれだけ公的機関が危機感を抱いているかということの現れでしょう。

しかし「情報漏えい」を恐れるあまり、メール本来の機能を犠牲にして「CC」の使用を禁止すべきでしょうか。「CC」で情報共有をしたいという場面は、ビジネス上ではとても多いものです。通常、ビジネスのプロジェクトは複数名で進行します。その際、メールで「TO」しか使えなかったら?それぞれの意志を確認し、同じ情報を共有するために、同様のメールを何通も送ったり、転送したりする必要が生じ、メールの送受信回数が膨大に増えてしまいます。

「運用する人を信じる」環境を整える

「CCが使えなければ、TOに複数のアドレスを入れればよい」という方もいるでしょうが、それは本来の「TO」の意味と使用目的ではありません。「TO」欄は、原則として、特定の1人に対して送信し、何らかのアクションを依頼するものです。ここに複数名を入れると、受信した複数の人々は、誰が中心となって行動を起こせばよいのか分からなくなってしまいます。受信者の中には「たぶん別の人が依頼された仕事をしてくれるから、自分はしなくてもいいだろう」と考える人も少なからずいるものです。結果として、作業スピードがダウンしてしまうおそれがあります。

「情報漏えいして非難を受けるくらいなら、不都合を承知で最初から禁止してしまえ」というのが、この「CC禁止」設定の背景にある思想なのでしょう。しかし、ミスを恐れるあまりに、本来のメールの機能まで制限してしまうのは、円滑なコミュニケーションを妨げるだけでなく、煩雑な作業を増やすことにもつながり、結果的にビジネスを停滞させてしまいます。

誤用や情報漏えいを防ぐために本当に必要なのは、徹底したメールの教育です。システムの変更で人々の行動を制限するのは、メール本来の豊かな機能を損なうばかりか、ビジネス上の機会損失にも繋がりかねません。先に書いたことと矛盾するようですが、徹底したメール教育によって、「運用する人を信じる」環境を整えていくことが、これからのビジネス環境には必要なのです。
mail_send(Part4につづく)

 

回答担当講師

ビジネスメールコミュニケーション講座(ベーシック編)

一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師 佐藤安南
1988年東京大学文学部第4類心理学専修課程卒業。1990年東京大学大学院社会学研究科(社会心理学専攻)修士課程修了。社会学修士。映像制作会社勤務を経て独立。TBS「報道特集」日本テレビ「バンキシャ!」フジテレビ「スーパーニュース」「報道2001」NHK「すくすく子育て」「イッピン!」など、主に報道・情報番組の取材に携わる。教育ビデオ、企業・大学・病院などの広報映像、CM、ゲームソフト開発などにも従事。テレビの取材を通じ、専門家から主婦にいたるまで様々な分野・職業の人々とメールを交わした経験から、メール教育の必要性を痛感。一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師の資格を取得、本格的にメール教育活動を開始。また「ママ・パパ・子どものプライベートメール実態調査2013」に携わるなど、親子向けのプライベートメール・SNSコミュニケーション教育にも力を注いでいる。

 

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著者
佐藤 安南(JBMA認定講師)

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