ビジネスメール実態調査2024

訪問の時間を減らしてメールを使う

メールの研修の質疑応答の中で「平野さんはどうしてそんなに時間があるんですか?」と聞かれることがあります。私は、ビジネスメールの研修だけでなく、マーケティングに関するコンサルティング、雑誌やWEB媒体へのコラムの執筆、書籍の執筆、講演、メルマガの執筆、アイ・コミュニケーションの会社経営、1日200通のメール処理……などなど、いくつもの業務を行っています。

時間が膨大にあるように思われても仕方がないかもしれません。冒頭の質問に、私はいつもこう答えています。

「メールを効果的に使っているからですよ」

この答えは非常にシンプルですが、事実です。

メールがなかったら事業規模は今の半分以下になるでしょう。
そして、今の時間では到底終わらず、業務効率も下がっていることでしょう。

これからのスタイルはメールで「会うべき人に会う」

私の仕事は、ほとんどパソコンの前でおこなわれています。
「平野さん、1日中パソコンの前にいて仕事になるの?もっと営業のために動き回らなくては成功しないよ」と言われることがありますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
従来は、”会わないと仕事にならない”という考え方が主流でした。

しかし、これからは会うべき人とだけ会う。この一言に尽きるのではないかと思います。

相手の記憶に残るために、なんども訪問するケースもありますが、メールでも同じように相手のマインドシェアを獲得することが可能です。
基本的には相手が欲している情報の提供や様子をうかがうメールを定期的に送り、その都度、思い出してもらうのです。

それによって相手の記憶に留まることになり、久々に訪問をしたときに「久しぶりに会った気がしない」と言われることも珍しくありません。
会わないことがよいのではなく、メールと訪問あるいは電話を使い分け、組み合わせながら効果を最大限に発揮するべきです。

意味のあるアポイントを

人に会うことは、コミュニケーションとして一番深みがあるものです。
親密度は、会う>電話>メール の順に低下します

会うという行為は相手と関係を築くにはよいでしょう。ただ、効率で考えると一番非効率です。
面会時間に加えて行き帰りの時間も考慮すると、場合によっては2~3時間を1件のアポイントに費やすことになります。

しかし、このアポイントから何も生まれなかったら生産性はゼロ。
何時間かかろうとも、どんなに汗を流そうとも、何もしていなかったのと同じなのです。

さらに、面会で費やされるのはあなたの時間だけではありません。
相手は、あなたに貴重な時間を割いてくれているのだという自覚を常に持たなくてはいけません。やみくもなアポイントは、お互いにとって不利益をもたらすのです。

電話もタイミングを見計らって

相手の時間を拘束するという意味では、電話も同じです。私は、必要がなければ電話も使いません。電話が鳴っても出ないこともあります。

電話でのやりとりは、記録をすることができません。
そのため、あとあと「言った」「言ってないの」の論争に発展することがあります。

このトラブルが発生する率は、意外に高いのです。

しかし、メールは履歴が残ります。
お互い、パソコンに残った履歴を見ながら話を進めることができるため、トラブルが起こりにくくなります。
仮に、行き違いがあったとしても、メールが証拠となって解決することができるのです。

メール活用で効率アップを

私は、決してコミュニケーションを軽視しているのではありません。意味のある仕事をしようと思ったら当然の結果です。

会うべきタイミングを見極め、それ以外はメールでやりとりをする。
時と場合に応じて、コミュニケーションの手段を使い分けることによって、効率よく業務を行うことができるのです。

ビジネスにおいて、いかに時間が貴重なものなのか。ご自分のお仕事に照らし合わせて、じっくりと考えてみてください。
メールをどこかに取り入れ、工夫をすることによって短縮できる時間があるのではないでしょうか?