ビジネスメールの第一印象は宛名の書き方で決まる?
ビジネスメールのプロに質問!
花井美代子講師からの回答
メールを送るとき、宛先(TO)は1名のみ設定することが基本です。しかし、複数名を設定しなければならない状況のときもありますね。そうした場合には、本文にきちんと宛名が書かれていることがとても重要な意味を持ちます。宛名はメールの第一印象だと言っても過言ではありません。初めて会ったときの印象が「第一印象」です。メールを開けて読むときに、一番初めに見るのが「宛名」です。会社名が間違っているのは問題外です。「株式会社」が前に付いているか、後に付いているか、これだけで「会社名を間違えた」ことになってしまいます。また、所属部署や肩書きはもちろん、名前の漢字が間違っている、敬称が付いていないのでは、本文、内容を読む前に「失礼だな」という印象を持って読み進めることになります。複数の宛名を書くときの三つのポイントを分かりやすく解説します。
1.役職に注意
複数の宛名を書くときには、役職に注意をする必要があります。
役職が上の方を先に書く。また、取引先と身内であれば、取引先を先に書き、身内は後に書きます。役職が同じであれば、本社が先、支社が後です。
自分が本社に所属していれば、支社が先、本社が後というように書きます。
「横に並べて書くほうが、立場の上下が無いように感じる」という方もいらっしゃいますが、読みやすさや入力速度から考えると、あまりお勧めはできません。
横に並べた場合株式会社○×企画 △△商事株式会社 いつも大変お世話になっております。 |
確かに横に並べて書くと、立場の上下を感じることが少ないかもしれません。
しかし書くときには、企業名が2つ同じ行に並び、氏名が2つ同じ行に並ぶように文字を打つことになります。
2番目に来る方の会社名と名前の始まりが同時になるように、「○マス空けて・・・」と工夫しながら書く必要が出てきてしまいます。
では、これを縦に書くとどうなるでしょうか。
縦に並べた場合株式会社○×企画 △△商事株式会社 いつも大変お世話になっております。 |
いかがでしょうか。
単純に文字を入力するだけですから横に並べて配置を調整する手間が省けますし、読み手も視線を縦に動かしスムーズに全体を読みすすめるのでストレスがありません。
最近は、パソコンで受信したメールをスマートフォンに転送する方も多いことを考えると、横に並べて書くよりも、縦に並べる書き方が一般的に読みやすいレイアウトと言えるでしょう。
2.多人数に送る場合
2~3人程度なら問題ありませんが5人、10人となれば宛名を書くだけで時間がかかります。例えば、全ての支店長に送るというメールを作成するのであれば
○○物産株式会社 支店長各位 |
という書き方をすると、すっきりと伝わります。
3.敬称の種類
「様」を付けるのが一般的です。立場、役職の上下に関係なく使えるので便利です。
「殿」を付けた宛名で送る方がいらっしゃいますが、現在では一般的に、目上の者が目下の者に使う敬称と言われています。間違って使うことのないようにしましょう。
また、医師や研究者に対しては「先生」という敬称でも問題ありません。
○○総合病院 院長 佐藤一男先生 |
このように、役職 + 名前 + 敬称という書き方が良いでしょう。
ただし、相手を気遣うあまり「○○部長様」「△△院長先生」というような、二重の敬称にならないよう気を付けてください。
普段、何気なく書いている宛名ほど、イレギュラーな場面ではどのように書けばよいかと思い悩むものです。相手に失礼のないように、基本を押さえた書き方を身に付けられると良いですね。
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