ビジネスメール実態調査2024

メールの要旨は内容を省略しても良いのですか?

ビジネスメールのプロに質問!

メールの要旨は、「件名の件についてご連絡いたしました」といった書きかたをすることが多いのですが、それではダメでしょうか。

茨木ち江講師からの回答

こちらは関東近郊の商社に勤める事務職のSさんからいただいたご質問です。要旨は、件名と同じような内容になることが多いので、このような書きかたで済ませることが多かったそうです。

件名と同じ内容でも良いので、省略せずに書く

要旨は、メールを受け取った方が、「なぜ、このメールが自分に送られてきたのか」を理解するための、大切な部分です。
基本的には内容を省略せず、用件を「具体的に」「簡潔」に書きます。
例えば、急いでいて件名をちゃんと確認せずにメールを開き、読み始めてしまったとき、要旨の部分に「件名の件についてご連絡いたしました」としか書いていなかったら、相手の方はどのような行動が必要になるでしょうか。

予測される行動

(1)「件名って何だっけ?」と目線を移動して件名を確認する
(2)改めて本文に目線を戻す

 

このような行動が必要になります。
小さな行動ですが、業務量が多く、メールをたくさん受信している方などは、意外とストレスに感じるようです。
また、最近は、スマホやタブレットなど、パソコン以外のツールに会社のメールを転送し、移動時などに確認している方も多いでしょう。
スマホやタブレットの場合、読み進めていくと、件名が隠れてしまうこともあるため、「スクロールして件名が確認できる位置まで戻らなければならない」という手間が発生し、さらにストレスになります。
相手にこのようなストレスを与えないため、たとえ件名と同じ内容だとしても、要旨には、「このメールをなぜ送ったのか」を明確に記載するようにしましょう。

繰り返しが気になるときは?

基本的に、要旨は件名と似たような内容になることも多いのですが、「繰り返しているようで、くどいかな?」と気になるときは、件名よりも、もう少し具体的な内容をプラスして記載します。

具体的な内容をプラス

(件名)提出資料に関するご相談
(要旨)改明日提出する○○様向け◇◇資料について、内容を一部変更させていただきたくて、ご連絡いたしました。

 

たとえば、上記の「件名」を少し詳しくしたときは、要旨の内容もそれに合わせてさらに具体的な内容を少しプラスして記載します。

種類 変更前 変更後
件名 提出資料に関するご相談 (ご相談)提出資料の一部変更
要旨 明日提出する○○様向け◇◇資料について、内容を一部変更させていただきたくて、ご連絡いたしました。 明日提出する○○様向け◇◇資料について、△△の部分を変更させていただきたくて、ご連絡いたしました。

 

このように、件名をもとに、要旨に少し具体的な内容をプラスするだけでも「何度も同じことを繰り返している」という印象が和らぎます。

急ぎや返信の希望を伝えるときにも活用できる!

要旨は、「なぜ、このメールが自分に送られてきたのか」を記載する部分でもありますが、返信が必要なこと、急いでいることなどを伝えるときにも活用することができます。
特に、本文が長くなるとき、これらの希望は本文の最後ではなく先に伝えておいたほうが、たとえメールが長くても、相手が優先度をあげて読んでくれる可能性が高くなります。

返信が欲しいとき

お手数ですが、ご確認の上、返信をお願いいたします。

急いでいることを伝えるとき

急なお願い事で恐れ入りますが、◯月◯日までにご返答いただければ幸いです。

 

要旨は、送ったメールの「大切なところ」をすばやく相手に伝えるために、とても役に立ちます。
上手に活用すると、メールが読みやすくなるため、相手からスムーズに返信が届くようになりますよ。