ビジネスメールコミュニケーション講座(オンライン)

メールのルールを浸透させる方法

ビジネスメールのプロに質問!

自分のチーム内ではある程度、メールのルールを共有していますが、なかなか浸透しないので困っています。どうやってルールを作ったら良いでしょうか。またどうやったら、浸透するでしょうか。

平野友朗からの回答

チーム内で、メールのルールを共有することは、非常に難しいです。

新入社員ならまだしも、ある程度の社歴があれば、それぞれに「自分ルール」があるはずです。良かれと思ってそのルールで運用しているわけですから、自分は正しいと思い込んでいるのです。

そのため、ある特定の部署の方がルールを作ったとしても、

「自分の方が正しい。そのルールはおかしい」
「なぜそのルールに従わなくてはいけないのか」
「そもそも君はそのルールを守れるのか」

などと、くってかかられ、まったく浸透しないことがあります。

遠回りになるかもしれませんが、外部の専門家などを入れ
時間を掛けてルールを浸透させていくのもよいでしょう。

どうしても社内の人間が言うと、ルールに反発をしてしまう。
それを現場でたくさん見てきました。

社内の人間がルールを浸透させるためには

それでも社内でルールを作らなくてはいけないケースもあります。
その場合は、「なぜならば」「相手がどう感じるか」を大事にしてください。

なぜならば

たとえば、添付ファイルを送るときに、2MB以上の場合は相手の環境を確認する。
そのようなルールを作ったとしましょう。

そのルールを文章で配っても、実施する人は少ないでしょう。
理由が書かれていないからです。

その場合は次のように理由を説明してください、

「大手企業などでは、一人あたりのメールサーバーの割り当てが小さいケースがあります。500MBというケースもあります。その場合、メールサーバーが一杯にならないように、受け取れるファイルサイズの上限を定めているケースもあります。あなたが受け取れるから、相手も大丈夫だろうと思って10MBのファイルを添付したとします。しかし相手がそれを受け取れないこともあるのです。そうなると、そこでコミュニケーションが分断してしまいます。2MB以内で受け取れないという話は聞いたことがありません。だから、添付ファイルの条件は2MBとして、臨機応変に対応するようにしましょう。」

このように理由があれば、相手も納得します。
ただのルールを並べるのではなく、理由もしっかり伝えてください。

相手がどう感じるか

ビジネスメールは「○○が絶対的な正解」のように答えがあるものではありません。
そのため、多くの方が感じている。もしくは取り組んでいるものが正解だと言えます。

自分が「なんとも思わない」という事象があったとしても、相手が嫌だと感じる可能性もあります。
メールのコミュニケーションは、相手の反応が見えません。
知らぬ間に相手が不快に思っている可能性もあるのです。

だからこそ、相手がどう感じるのかも考えた上で、ルールを作りましょう。

この記事を書いたビジネスメール講師
平野友朗
一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事/株式会社アイ・コミュニケーション代表取締役。メールを活用した営業手法には定評があり、ウェブマーケティングとメールを駆使して5,000社の顧客を開拓。メールの可能性に着目し、蓄積したメールでのコミュニケーション手法を集約したビジネスメール教育プログラムを開発。個人のメールスキル向上から組織のメールルール策定、メールの効率化による業務改善までを手掛ける。 インストラクターの育成にも注力。商工会議所、大学、上場企業などメール教育に力を入れる企業・団体へのコンサルティングや講演・研修回数は年間70回を超える。ビジネスメールをeラーニングや通信講座で学ぶ教材開発にも協力。

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