ビジネスメール実態調査2025

メールでお客さまから「曖昧だ」と怒られる場合、考えられる理由とは?

ビジネスメールのプロの教え(ネットショップ編)

「今週中と言ったのに返事がこないじゃないか!」と、お客さま対応係のAさんが、お客さまからクレームを受けました。Aさんはお客さまに次のようなメールを送っていました。

Aさんがお客さまに送ったメール

○○様

いつも○○ショップをご利用くださいましてありがとうございます。
カスタマーサポートのAと申します。

> 先日購入した食品ですが、アレルギー情報がショップページに
> 記載されておりませんでした。
> お調べいただくことはできますでしょうか。

お問い合わせいただきました内容ですが、
ショップページに記載されておらず大変ご迷惑をおかけしました。
ただいまメーカーに調査依頼を出しました。

調査結果が分かり次第内容をまとめまして、
今週中にお返事をいたします。

少しお待ちいただくことになり恐縮ですが
どうぞよろしくお願いいたします。

(署名省略)

 

Aさんはお客さまに「今週中にメールをする」と言ったのに、お客さまから「今週中に返事がきていない」とクレームをもらったのです。どちらも「今週中」という同じ表現が出てくるのに、なぜクレームがきたのでしょうか。

誰が見ても1つの解釈になる表現を使う

次の2つの文章を見てください。

今週中を示す2つの表現

(1)『調査後、今週中に担当者よりお返事をいたします。』
(2)『調査後、土曜日の18時までに担当者よりお返事をいたします。』

(2)は誰が読んでも「土曜の18時までに」担当者から返事がくることがわかります。一方で(1)は「今週中」が金曜日だったり、土曜日だったり、金曜の21時までだったり、土曜の18時までだったりと人によって認識が違うのです。

先ほどのAさんの件でいえば、Aさんの考える今週中と、お客さまの考える今週中が違っていたために、お客さまからクレームがきたのです。

shop

メールは受け取った側が好きに解釈できるため、表現によってはお客さまに誤解を与えてしまい思わぬトラブルになりかねません。ちゃんとした情報を伝えるために、誰が読んでも1つの解釈になる表現を使いましょう。

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この記事を書いたビジネスメール講師
平野友朗
一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事/株式会社アイ・コミュニケーション代表取締役。メールを活用した営業手法には定評があり、ウェブマーケティングとメールを駆使して5,000社の顧客を開拓。メールの可能性に着目し、蓄積したメールでのコミュニケーション手法を集約したビジネスメール教育プログラムを開発。個人のメールスキル向上から組織のメールルール策定、メールの効率化による業務改善までを手掛ける。 インストラクターの育成にも注力。商工会議所、大学、上場企業などメール教育に力を入れる企業・団体へのコンサルティングや講演・研修回数は年間70回を超える。ビジネスメールをeラーニングや通信講座で学ぶ教材開発にも協力。

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