CCに知らない名前がたくさんで不安です(Part.4)
ビジネスメールのプロに質問!
佐藤安南講師からの回答
「宛名」と「一言」でスムーズな情報共有を
ところで皆さんは、「CC」を使ってメールを送るときに、「CC」に設定した方々のお名前を、きちんと宛名に書いていますか。
10数年前に比べると少なくなりましたが、「CC」に設定している方を、宛名として書かずにメールを送信している方が、まだ多いように感じます。
送信する立場からは、「このプロジェクトには●●さんも含まれているのだから、情報共有をしてもらうのは当然だろう」という気持ちで、必要にせまられて、あるいは軽い気持ちで、CC欄にアドレスを入力するのでしょう。しかし、受信者側の立場で考えると、もともと送信者だけとやりとしていたはずなのに、とつぜん知らない人のアドレスがCC欄に入ってくると驚きます。また、何の断りもなしにCC欄に入れられた人も、「なぜ自分がこのメールを受け取る必要があるの?」と、送信者に対して不信感を抱くことでしょう。
「不快感」「不信感」を防ぐ
こうした不快感や不信感を招かないようにするためには、必ず宛名に、「CC」に入れた人の名前も書くことが大切です。「CC:●●様、弊社・▲▲」と書くだけで、誰がこのメールの内容を共有しているのかが明確になります。
また、本来は名刺交換をしてから「TO」や「CC」に設定することが望ましいのですが、都合上、直接対面をする前にメールで情報共有をする必要もあるでしょう。そうした場合は、「この件には、弊社の▲▲も携わっております。情報共有のためにCCで同報させていただきますことをお許し下さい」など、一言お断りをしておくとよいですね。
さらに、社内の人に対しては、「CC」で同報する前に一言伝えておくのがマナーです。「メールで送れば分かってくれるだろう」という思い込みは不快感を招くもとです。できれば対面で、難しいときはメールでもメッセンジャーでも、何らかの手段で、事前に伝えておきましょう。それだけで、スムーズで気持ちよい情報共有が促進されます。
ルールを学び、ルールを作る
繰り返しますが、「TO/CC」と「BCC」の取り違えは、メールに対する正しい知識が徹底されていれば容易に防ぐことができます。そして「徹底」という言葉の背景には、「おごらず、常に初心に返って」という意味が込められています。
まずは、ビジネスでもプライベートでも、「不特定多数の人に一斉送信するときには、必ずBCCを使うこと」を徹底しましょう。特にプライベートでは、お互い顔見知りのように感じられても、メールアドレスは交換していないという関係の人がいるものです。友だちの友だちは友だちではない、このことは改めて、肝に銘じてください。
また「社内でルールを作る」ということも大切です。基本的なルールを学んだあとは、社内で円滑に運用する方法を工夫しましょう。お客様宛のメールを担当する人に対するメール教育はじゅうぶんに行われているのか。どのようなときに、誰を、どの部署の範囲まで「CC」に入れるのか。こうした「メールのルール」について、社内全体で意思統一をすることは、社内のコミュニケーションを円滑にする第一歩でもあるのです。
メールは豊かな機能でコミュニケーションを活発にし、ビジネスを加速してくれるものです。ぜひ、常に「基本の知識」に立ち返って、安心安全なメール運用を心がけましょう。
関連記事
スポンサーリンク