ビジネスメールコミュニケーション講座(オンライン)

配信対象者の選択ミスによるメールの誤送信が起こる理由とその対策

メールを一斉送信するときに、配信対象者を間違ってしまうという人為的ミスによる誤送信の事例も豊富にあります。

2014年12月17日には、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学が不合格だった入学志願者294名に合格通知のメールを送信しています。

しかもそのメールの中には「合格の祝辞」「校具の購入」「フェイスブックでクラスメートとつながることなどを促す内容」などが含まれていたと言います。不合格であることを知った方のショックは、計り知れないものでしょう。ニュースサイトにも出ているとおり原因は完全に人的ミスです。

米名門大学が不合格者294人に「合格通知」、人為ミスを謝罪(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPKBN0JW05K20141218

なぜこのようなミスが起こるのでしょう。想定されるパターンをいくつかご紹介します。

パターン1:エクセルの分割ミス

エクセルなどで管理している配信データベースがあるとします。合格者と不合格者にそれぞれ連絡をしようと考えた場合、マスターのデータベースから合格者、不合格者を抜き出してそれぞれファイル名をつけます。

その際「list01.csv」「list02.csv」のようにファイル名をつけていたらどうでしょう。配信時にどちらが合格者だか分からなくなり、結果的に合格者に不合格通知、不合格者に合格通知を送ってしまう。そのような事態にもなりかねません。

これを避けるためには、ファイル名をつけるときに、合格者は「goukaku.csv」「ok.csv」、不合格者は「fugoukaku.csv」「ng.csv」のように分かりやすいファイル名をつける必要があります。

パターン2:抽出ミス

一斉配信システムの中には、検索をしてそのまま配信できるものもあります。合格者にメールを送ろうと思っていたのに、検索条件で「合格」ではなく「不合格」を選択していたとしたらどうなるでしょう。たった一つの選択ミスで、相手には誤ったメールが届いてします。これを避けるためには、何度も確認をするしかありません。

また文字列で検索をして配信リストを作る際も注意が必要です。「合格」と抽出したはずだったのに、部分一致で抽出をしてしまい「不合格」のなかに含まれる「合格」という文字列に反応してしまうこともあります。これも誤送信の原因として考えられます。

誤送信対策のヒント

送信対象者か否かの2分割をした場合、真逆のメールを送ってしまうことがあります。この事例にあるように分かりやすいファイル名を入れるだけで、誤送信の率が減るでしょう。

またデータベースの中に「不合格太郎」「合格次郎」のように分かりやすい名前をつけて、抽出から送信までの一連の動作をおこなってみるのも良いでしょう。

この記事を書いたビジネスメール講師
平野友朗
一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事/株式会社アイ・コミュニケーション代表取締役。メールを活用した営業手法には定評があり、ウェブマーケティングとメールを駆使して5,000社の顧客を開拓。メールの可能性に着目し、蓄積したメールでのコミュニケーション手法を集約したビジネスメール教育プログラムを開発。個人のメールスキル向上から組織のメールルール策定、メールの効率化による業務改善までを手掛ける。 インストラクターの育成にも注力。商工会議所、大学、上場企業などメール教育に力を入れる企業・団体へのコンサルティングや講演・研修回数は年間70回を超える。ビジネスメールをeラーニングや通信講座で学ぶ教材開発にも協力。

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