ビジネスメール実態調査2024

不快感を与えてしまうメールの事例とは

ビジネスメールのプロに質問!

相手に不快感を与えるメールとは、どのようなもののメールのことか教えてください。
自分はあまりイラッとしない方なので、特に勉強しなくても良いでしょうか。

長野裕香講師からの回答

ビジネスメールはコミュニケーションツールの1つなので、相手の受け取り方次第です。つまり、知らないうちに相手を不快にさせていることは十分に考えられます。だからこそ、一般ルールとは何か、どんなことで不快に感じる人がいるかを学ぶことはとても役立ちます。そこで今回は、こんなメールが不快感を与える恐れがあるという事例を、いくつかご紹介いたします。

ビジネスメールの形式になっていない

ビジネスメールは「宛名、挨拶、名乗り、要旨、詳細、結びの挨拶、署名」という7つ型に沿って書くのが基本です。そのため、この型の要素が抜けていると「宛名を書くことさえ面倒なのか」「挨拶がないなんて、ビジネスマナーがなっていない」と不快感を与えます。「電話番号や住所を探すときに、署名欄を利用する」という方も多いので「メールを探し出したのに、署名がなくてがっかりした」というのも、不快感につながります。まずは、この型通り書くようにしてください。

ビジネスフレーズの返信メールが冷たく感じる

色々メールでお願いしたことに関して、返信内容の本文に「かしこまりました」だけ書いてある。すると「誰にでも同じ返事をしているのだろう」「あしらわれているようだ」また、
「丁寧に接したい相手と思われていないのだと思う」という意見もありました。かしこまりました自身は敬語なのですが、返事が短いことが冷たく感じる理由の1つのようです。そこで、対処方法としては「かしこまりました。それでは、○○について確認後ご連絡さしあげますね」「承知いたしました、○○は私もとても楽しみにしています。」など、フレーズの返事の後に、一文足してみてください。この一言だけでも大きく印象が変わるでしょう。

テンプレートを使いまわしていた

メールの文末の記載に「○○さんのおかげです。とても感謝しています」と書いてあり、相手の方にとても良い印象をもっていたが、次のメールにも記載されていることから、テンプレートに言葉が登録されていることに気がついたという事例。また、上司からのメールに「頑張ってくれている姿、きちんと見ているよ。今後も期待してるよ。」と書いてあり、すごく嬉しかったのに、他の同僚にも同じ文章を送っていたという事例もありました。相手を思いやる今の心情から出てくるからこそ嬉しい言葉なのであって、それが、使いまわしと判明したときには、逆にマイナスイメージを与えてしまいます。注意が必要です。

添付ファイル忘れ、後の対応次第では不快にさせる

添付ファイルの付け忘れはよくある失敗ですが、ありがちな失敗でお互いさまと言う感覚もあり、不快にまで思う人は少ないようです。ところが「添付ファイルがないことを連絡したら、何事もなかったかのように、ファイルを添付しメールを再送してきた」となると、多くの人が不快感を覚えます。やはり「申し訳ございませんでした・大変失礼いたしました。」等、一言、謝罪の言葉を入れるべきでしょう。

まずは基本の書き方守る。その上で感覚の違いに配慮する

1番怖いのは、自分のメールは大丈夫だろうという感覚です。あなたのメールがいいか悪いかを決めるのは、あなたではなく相手の方です。たくさんの不快ポイントやその理由を知っておけば何をしたらいけないのかを、具体的に心がけることができるからです。誰も「あなたのメールは不快です」とは教えてくれません。周囲の方に意見を聞いてみたり、研修を受講するなど、自分から学ぶ姿勢を持つことが重要です。