ビジネスメール実態調査2024

ビジネスメール上達への道も一歩から

仕事で使わない日はないくらい、身近なツールであるメール。毎日、外出してお客さまに会いに行くことはないけれど、メールは毎日チェックしている人が多いのではないでしょうか。ちょっと前までは電話で伝えていたことも、いまはメールで済ませることも多くなりました。

一般社団法人日本ビジネスメール協会アイ・コミュニケーション)が2007年から毎年実施している「ビジネスメール実態調査」では、仕事でどのようにメールを使っているのか、どのような問題が起きているのかを調査しています。2018年は2,917人のビジネスパーソンに回答していただきました。

『ビジネスメール実態調査2018』から読み解くビジネスメールの現状

仕事で周囲とコミュニケーションをとるとき、主にどの手段を使っていますか

仕事で周囲とコミュニケーションをとる主な手段は「メール」(96.50%)が最も多く、「電話」(90.02%)、「会う」(68.87%)と続きます。「メール」「電話」「会う」の3つが仕事では主要なコミュニケーション手段だといえ、この並び順は2011年から変わりません。

あなたの会社でビジネスメールの社員研修はありますか

ところが、会社でビジネスメールの社員研修が「ある」(9.02%)人は1割に満たず、9割を超える人が研修を受けていないことが分かりました。不安を抱きながらメールを自己流で使い、失敗をしている可能性があります。メールで失敗をしていることや不快感を与えていることは、指摘されないからこそ、自らが危機感と問題意識を持ち、学ぶ必要があるといえます。

あなたの会社でビジネスメールの社員研修はありますか

仕事で毎日メールを使っていて、メールでどのようにコミュニケーションをとるかが、仕事の生産性や人間関係に影響を与えているにも関わらず、実際に教育を行っている企業はごくわずかです。
携帯電話やスマートフォンが普及し、プライベートでもメールを使い慣れているからか「教えるまでもなく使えるもの」と考えている方もいるようです。
でも、ちょっと待ってください。子どもの頃から使っている電話のかけ方や、挨拶の仕方は新入社員研修で教えるのに、毎日、仕事で使うメールは「なんとなく使えるから」、「仕事をするなかで覚えるだろう」という理由で教育が行なわれていないとしたら、危険だと思いませんか。

ビジネスメールを書いて送るときに、不安を感じることはありますか

ビジネスメールを書いて送るときに、不安を感じることはありますか

ビジネスメール実態調査2018」によると、自分のメールに不安を抱くことが「よくある」(16.08%)と「たまにある」(57.52%)の合計が73.60%で、7割を超える人が、自分のメールに対して何かしらの不安を抱いていることが分かりました。年別に見ると、自分のメールに不安を抱くことが「よくある」「たまにある」人が増えています。

メールに慣れ、個々のスキルは上がっているはずですが、「正しく伝わるか」(66.42%)といった不安は残っているようです。役職別に見ると、一般社員がより不安を抱く傾向にあります。研修などもなく現場ですぐにメールを使うようになるケースもあるため、何が正しいか分からず使っていることも考えられます。

過去一年間で、ビジネスメールの失敗をしたことはありますか

過去一年間で、ビジネスメールの失敗をしたことはありますか

過去一年間に仕事でメールの失敗をしたことが「よくある」(2.33%)と「たまにある」(34.93%)の合計が37.26%で、4割近い人が失敗をしていることが分かりました。自分がした失敗の第1位は「添付ファイルの付け忘れ」(41.58%)で、4割以上が経験しており、起こる可能性の高い失敗であるといえます。自分の失敗を指摘されたことが「よくある」(5.43%)と「たまにある」(43.51%)の合計が48.94%で、約半数の人が失敗を指摘されたことがあると答えています。一方、「ほとんどない」(43.70%)と「まったくない」(7.36%)の合計が51.06%で、半数を超える人が失敗しても指摘をされていません。

「自分のメールは絶対に大丈夫!」と自信を持って言える人は、どのくらいいるでしょうか。部下や後輩にメールの指導をするときに「これでよいのだろうか」と不安を抱くことがあるという声もよく聞きます。教える側に立つ上司でさえ、一度も学んだことがないのです。

「メールを誤送信して大問題になってしまった」、「メールで相手を怒らせてしまった」など、たった一通のメールが原因でトラブルに発展したり、人間関係が悪化したりすることがあります。メールでのトラブルを防ぎ、不安を解消し、上手に使いこなすには、正しいメールを学ぶこと。これに尽きます。

仕事で使うメールについて学ぶのに早すぎることはありません。基本を学び、マナーやルールを身に付けることが、メール上達の道への第一歩です。

出典

一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2018