ビジネスメールコミュニケーション講座(オンライン)

メールは引用して効率的に返信を

引用とは

「引用」とは、人の言葉や文章を自分の言葉や文章の中に引いて用いることです。

メールのやり取りにおける引用とは、メールの差出人が書いた文章をそのまま残して過去のやり取りが分かるようにすることを指します。

引用を自動的にするか、しないかは、メールソフトで設定出来る場合もあります。
引用されたメールは、行頭に引用符がつきます。一般的には半角の「>」が入ります。

設定によっては「@」「■」にすることもできますが、一般的ではないため違和感を覚える人がいるでしょう。
「これは引用ですよ」ということを明示したい場合は、最も一般的な「>」(半角)を使うことをおすすめします。

全文引用と部分引用

引用には「全文引用」と「部分引用」の2種類があります。

「全文引用」は過去のメールを下に残し、その上に新規でメールを書くパターンです。
一方「部分引用」は相手のコメントの一部を残し、その下に自分の回答を書くパターンです。

では、それぞれのメリット・デメリットを考えてみましょう。

全文を引用する方法(全文引用)

メリット

これまでの履歴がまるごと一つのメールの中に残ります。そのため、メールを探して過去のやり取りを確認する必要がありません。

デメリット

やりとりを重ねるうちにメール自体が長くなり、過去に遡りにくいという問題点があります。

また、人によっては一番下までメールをスクロールしないと気が済まない可能性があります。そういった方がストレスを感じる可能性があります。

全文引用に関連した記事

必要な部分だけを抜き出す方法(部分引用)

質問を受けていれば、質問文だけを引用し、その下に回答を書くのが部分引用です。

メリット

全文引用の場合よりも文面をスッキリまとめることができ、読みやすく、話のポイントもつかみやすい返信になります。質問と回答が対になるため、一覧性が高いです。

デメリット

削る部分と残す部分の判断を誤ると、相手の意図から外れた返信になってしまったり、大切な部分に返答をし忘れたりすることがあります。また、引用をする文章の量が少なすぎると、どの部分の引用なのか分からなくなったり、言葉が足りずに誤解を招いてしまうことがあります。

文章の量が少ないと、冷たいもしくはぞんざいな扱いをされたと感じる人がいるかもしれません。また、部分引用に慣れていない人は雑だと感じる可能性もあります。

部分的に引用する場合には、最低限、前後の文脈が分かる状態で引用をするようにしましょう。

部分引用を使って返信したメールの例

お打ち合わせ日程のご相談

いつも大変お世話になっております。
株式会社◇◇ショップの××と申します。

> 次回の会議の日程は、3月19日(木)10時からでよろしいでしょうか。
> お手数ですが、ご確認よろしくお願いいたします。

はい。こちらの日程で問題ございません。
それでは、引き続きよろしくお願いいたします。

(署名省略)

部分引用は効率的な方法

引用の大きなメリットは、効率的であるということです。例えば、受け取ったメールに次のように書かれていたとします。

○月○日にお伺いしてよろしいですか?

引用をする場合には、その次の行に一文を入力するだけです。

はい。問題ございません。楽しみにお待ちしています。

引用をしない場合にはどうでしょうか。

お問い合わせいただいていた日にちの件ですが、○月○日でお願いします。

このように、質問された内容も含めて、全てを書かなければなりません。

また、新たに書き直すことによって、数字を間違えたり誤字が発生する可能性があります。
そうなると、話が進むどころか、本来はしなくても済む確認や訂正をしなければならず、効率が低下するばかりです。

必ずしも、部分引用だけが正解ではありませんが、スピードと正確さの面で大きな差が生まれるのは間違いありません。

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