ビジネスメールコミュニケーション講座(オンライン)

ビジネスメールにおけるCC活用時の注意点

保身のためのCCが増えている!?

最近、CCで受信するメールが増えたという話をよく聞きます。「迷ったらCCに入れる」これが浸透してしまっているせいでしょう。CCに入れずに怒られた経験がある人は、迷ったらCCに入れます。逆に「なんでCCに入れるんだ!」と怒られた経験は少ないでしょう。そのため、迷ったらとにかくCCに入れてしまいます。

CCに入れることで、自分の身を守ろうとする人がいます。上司から「なぜ、報告しなかったんだ!」「どうして、このようなことになったんだ!」と怒られたときに「私はちゃんと報告しています」「ちゃんとメールを送っています」「過去のメールを見てください」といった経験はありませんか?

そうしたくなる気持は分かります。

しかし、メールのCCに入れたからといって、報告や共有の責任を果たせているかというと、そうとは言い切れません。メールは必ず届くとは限りませんし、相手がいつ確認するか分かりません。「とりあえず送りました」という姿勢では、CCの共有は機能しません。不用意なCCのメールが相手の業務を圧迫してしまいます。

通常、TO宛てのメールは20通ほど受け取っている人も、共有のために送られてくるCCでのメールは1日50通といったように、CCでのメールは増えています。TOであってもCCであってもメールはメールです。受け取った数だけ、業務に支障をきたすことは想像できるでしょう。メールを送る際は、受け取る相手への配慮も必要です。送信前に、本当にCCで共有すべきメールなのかを考えましょう。

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CCから起こる情報漏洩

CCに入力されたメールアドレスは、TO、CC、BCCの受信者全員に公開されます。面識のない人同士をCCに入れてメールを送ると情報漏洩になりかねません。メールアドレスも立派な個人情報です。

たとえば「hirano@example.co.jp」というメールアドレスがあったとします。このメールアドレスを見ると「example会社に務めている平野さん」であることが容易に推測できます。CCを利用して情報発信をする場合は、お互いにメールアドレスを知っているかどうかに配慮して、活用するようにしましょう。「お互いにアドレスを知っているかどうか」が重要です。

あなたが、Aさん、Bさんにそれぞれイベントで会い名刺交換をしたとします。AさんとBさんの面識がない場合、あなたがAさんとBさんのメールアドレスをCCに入れてメールを送れば情報漏洩になります。面識があったとしても注意が必要です。AさんとBさんは名刺交換をしていない場合、CCでメールを受信してお互いのメールアドレスを知ることになれば、情報漏洩と取られることもあるのです。メールアドレスも個人情報です。取り扱いは慎重に。

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CCを見逃さないために

CCに誰かを入れてメールを送る際は、メール本文の宛名(TO)の下に、CCで受信している人がいることを明記しましょう。CCでの受信者が一人の場合は、「CC:○○様」と書きます。

CCでの受信者が複数いる場合は

  • 社外→社内 例:(CC:田中一郎様、弊社 佐藤)
  • 役職の順

で書くようにしましょう。役職が分からないときは、メールで伝える内容に関係が深い順、もしくは50音順にするなど、並び順の理由を説明できるルールを取り入れるようにしましょう。

受け取った人は、並び順から序列を感じます。説明できる理由が無い場合「なんで、○○さんより私の方が後ろなんですか?」「私のことを下に見ていたんですか」とくってかかられることもあります。

並び順が難しい場合や、人数が多すぎて書くのが大変な場合の対処方法

並び順が難しい場合や、人数が多すぎて書くのが大変な場合は、

(cc:関係各位)
○○チームのみなさま

のように書きましょう。

ちなみに、「関係各位殿」のように「殿」をつけてしまう人がいますが、これは誤りです。「各位」という言葉には「皆様」「おのおの方」という意味が含まれます。つまり「各位殿」と書くと「皆様殿」と書いているのと同じです。

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