ビジネスメールコミュニケーション講座(オンライン)

メールで挨拶をするしないの議論は、意味がない!?

「メールで挨拶はいらない」

「挨拶は非効率だ」

「社内メールの挨拶をやめるのは、どうしたらいいか」

このような声が増えたのは、実業家の堀江貴文さんの記事が影響していると思います。

この記事が出たのが2021年4月27日。

その数日後、羽鳥慎一モーニングショー(テレビ朝日)から取材が入りました。

2021年4月30日の放送で「挨拶はするべきか、省いてもいいのか」をテーマに、一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事としての見解を述べました。

コミュニケーションは、相手がどう思うか、感じるかが重要です。相手が「挨拶は不要だ」というなら書かなくても問題はないでしょう。相手が挨拶を必要としているの、不要だと考えているのか、分からないなら、挨拶は書いたほうがいいといえます。

「挨拶が不要だ」という声がある一方、

  • 挨拶をしない人がいて、冷たく感じる
  • 挨拶がないと唐突に切り出されて違和感がある
  • 挨拶は、して当然だと思います

このような意見もあります。

私はメールのプロとして現場に入っているためこの両方の言い分は理解できます。効率を重んじるタイプと礼儀を重んじるタイプ。この2つの考え方が、相容れないところもあります。

ただ、これ以上この議論を続ける意味が無いと思っています。メールを何のために使っているのか。迷ったときは「そもそも」を考えるのがいいのです。

  • 仕事の効率を上げるため
  • コミュニケーションをとるため
  • 円滑に仕事を進めるため

これらの目的に異論は無いでしょう。表面的な効率だけを重視している人は、次のような論点から挨拶を省略したがります。

  • キータッチの回数を減らしたい
  • 文章を読む時間を減らしたい

正直、挨拶を書くのにかかる時間は、1~2秒程度です。

  • 「ose」→「お世話になっております。」
  • 「taihe」→「大変お世話になっております。」
  • 「otu」→「お疲れ様です。平野です。」

このように辞書登録しておけば入力の時間は減らせます。また、通常の挨拶であれば、読むのに1秒もかからないでしょう。この1~2秒の削減の議論をすることが時間の無駄です。

もちろん、このような長い挨拶は不要です。

「入梅とともに雨が続きますが、貴殿におかれましてはなお一層ご隆盛の由拝察いたしております。」

さすがにこれだと読んでいてイライラする人も多いでしょう。挨拶をカットするより、1秒でも早く読めるように、メールの構成やレイアウト、一文の長さに気を遣うべき。

相手が挨拶を書いているから、自分も書かなくてはいけない。それが非効率だと考える人もいるかもしれません。

それなら、1秒で挨拶を入力でいるようにスキルアップすればいい。

挨拶の有無で議論するのはナンセンスであり、わかりやすい文章を書く方法で議論すべきです。

ちなみに、すでに挨拶の省略が根付いている企業もあります。それは、社内コミュニケーションであれば問題ありません。

しかし、社外でも挨拶を省いていいとか、距離が近い人は省いていいとか。誤ったルールを生み出す可能性があります。それにより相手が不快になったとしたら、リカバーにどのくらい時間がかかるでしょう。

先輩のメールを見て崩していいんだと判断した部下が、誤ったメールを外部に送る可能性もあります。

自分のメールが人に見られている。自分のメールが人の見本になる。

こう考えると、挨拶を書くのが合理的だと結論づけられます。そのような意識を持った上で、トータルの時間に目を向けるべき。1通のメールの時間を減らすよりもトータルの業務時間を減らす方法を考えましょう。

スポンサーリンク