ビジネスメール実態調査2024

返信のとき件名を変える?変えない?

返信するとき、件名を変えるべきか

メールの返信をするときに、件名を書き換えるべきか迷う人も多いようです。

「件名を書き換えた方が、用件が伝わりやすい」
「件名が変わっていると、返信だと気が付かない」

いろいろな意見があるでしょう。

まず、一般的にどのように処理をしている人が多いのか。そこから整理していきましょう。

質問:ビジネスメールを返信するときに「Re:」を削除して件名を変えていますか

Q16_ビジネスメールを返信するときに「Re」を削除して件名を変えていますか

相手から受け取ったメールを返信する際、自動的に件名につく「Re:」を削除して件名を変えているかという問いに対しては、「変えている」(15.75%)、「変えていない」(82.63%)、「わからない」(1.62%)という結果になりました。「Re:」を残したまま返信する人が多数派といえます。ちょっと古いデータですが、ご了承ください。

(出典)一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2014

 

私(平野友朗)自身も、件名は原則変えずにやりとりをしています。
その理由も含めて、返信のときに件名を変えてはいけない3つの理由をお伝えします。

返信のときに件名を変えてはいけない3つの理由

【理由1】「Re:」によって返信かどうかを知らせる

「Re:」がついていれば返信メールだと判断がつきます。逆に「Re:」がついていなければ新規のメールだと判断されます。
返信メールによって、仕事が前に進みます。その前に、こちらの何かしらのアクション(メール)があるはずです。質問なのか、相談なのか、苦情なのか、要求なのか、お礼なのか。

こちらの「伝えたい」という行動に対する相手のリアクションが、返信となって返ってくるわけです。つまり、返信メールは、その受信者にとっても意味深いものです。

一方「Re:」がついていないものは、新規のメールです。その中には、報告、連絡、相談、苦情、依頼、営業メール、メルマガ、迷惑メールなども含まれます。つまり、自分に関係のないものも含まれているということを、受信者は知っているのです。人によっては、新規メールよりも返信メールの優先順位を上げて読みます。

だからこそ、「Re:」はつけたままにするべきでしょう。

【理由2】ツリー構造が崩れる!?

メールソフトによりますが、「Re:」をとってしまうことでツリー構造が崩れてしまうことがあります。

ツリー構造の例

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 ┗Re:ビジネスメールセミナーのお知らせ

崩れたツリー構造の例

ビジネスメールセミナーのお知らせ

セミナーのお誘いありがとうございます

このようにツリー構造が崩れてしまい、新規のメールに見えてしまうことがあります。相手のメールの管理を邪魔しているようなものです。

そのため、一部のIT系の方からは疎まれている行為です。それによって受信者は、メールを見逃したり、対応が遅れる可能性もあります。対応が遅れるということは、送信者にとってもデメリットが生まれます。お互い損をする可能性があるので使わない方がいいですね。

【理由3】丁寧さ vs 効率

一部のマナー講師は「毎回、件名を変えましょう」と指導しています。また、件名の中に「様」がついていたら、それも削除するように指導しています。ビジネスメールはコミュニケーションの道具です。効率を著しく落とすのは意味がありません。逆に、不快感を与えても意味がありません。

毎回、「様をつける」、「様をとる」。このように書き換えているならば、そこには時間というコストが発生しています。メールの通数が1日1通ならば、それでもいいでしょう。1日10回そのような作業をしたならば、数秒は無駄になっています。それが積もり積もると、大きなロスに繋がります。

結論・・・「Re:」はつけたままでOK

以上、3つの理由から「Re:」は付けたままにするべきだと言えます。もちろん、最終的な判断は「相手を見て」がベストです。

メールをほとんど使わない人が相手ならば、「この『Re:』ってなんだろう?」「何かの間違いなかぁ」と思う可能性もあります。そういった相手には、「Re:」をつけないことが配慮になります。